2020年4月。
何年か前から還暦後の生活について考えてきた。人間50年という時代はすでに遠く、人生100年時代を迎えていると聞く。
となると、60歳でハッピーリタイアというわけにもいかないわけで。経済的にはもちろんのこと、仕事をしない日常にはたして耐えられるかとも思うのだ。
で、選択肢は二つ。
60歳で定年退職し別の仕事を選ぶか、定年後再雇用の制度を利用し契約社員として65歳までいまの会社に残るか。
人事部の担当者によると、定年を迎える社員の7割程度が再雇用を希望しているという。まあ、そうだろうね。年収は減るけどそのほうがいろいろと楽だし。
問題は「65歳まで」という部分だと思う。
結論から言えば、僕は再雇用を選ばずに退職し、個人事業主(社会保険労務士)となる道を選んだ。
その理由は二つ。
一つは、65歳以降をどうするのかを考えたから。65歳で退職しても、たぶん今と同じ問題が残る。経済的な問題と仕事をしない日常に耐えられるかという問題。人生100年時代というならば、5年間の雇用延長はいかにも中途半端な感じがするわけで。
もう一つは、生き方のシフトチェンジをしたかったから。月~金、9時~5時、出勤してオフィスで仕事というスタイルを変える。ライフスタイルを作り直す。還暦を迎えたということで、これまでと違う新たな暦を始めようと。
とはいうものの、70歳までの雇用継続義務化になりそうだしコロナ禍で新しいワークスタイルや生活習慣が根付くとするならば、再雇用を選ぶのもアリだったかもしれない。
結局のところ、その決断が正しいとか間違っているとかいうことには意味がないんだろう。その決断を正しくあらしめようという強い意思こそが大切なんじゃないだろうか。だとするならば、だ。
泣こかい飛ぼかい、泣こよかひっ飛べ。
つまり、そういうことだと思うのだ。