コンコルド。
通常の旅客機の2倍の高度をマッハ2.2という旅客機としては破格のスピードで飛んだ夢の超音速旅客機だ。
コンコルドは開発に時間がかかり、開発途中で採算ラインに乗らない懸念があったにもかかわらず、それまでにかけた膨大な開発費用を惜しんで開発を続けた結果、多額の損失を生んだといわれている。
そこから、ある対象に投資し続けることが損失を招くとわかっていても、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態をコンコルド効果という。
何の話かといえば、東京オリンピックのことである。
世界的なコロナパンデミックの中、現実を見れば解決困難と思われる問題が山積するにも関わらず、いまだに中止を決められないのはどうしたことだろうか。
無論、サンクコスト(埋没費用)は中止できない理由のひとつに過ぎず、ほかにも様々な要因があるのだろう。
しかし、と、どうしても考えてしまう。
このままオリンピックを強行した場合に想定されるリスクをどう見積もっているのか、と。その見積り、少し甘くないですか、と。
ここでもまた問われるのは、想像力、ということなのではないか。