転職希望者が増えている。
パーソルキャリアが発表した2020年6月の転職希望者数は前月比122.6%で過去最高を記録した。
実際の転職者数はどうなのだろうか。雇用調整が進んでいる現況をみれば、一部業種を除けば採用数が増加しているとは考えにくい。つまり、市場としては需給バランスが悪化しているということだ。
それなのに、転職希望者は増えている。
一つの要因として、働き方を変えたいという動きがあるという。希望する転職先の条件として、テレワークや在宅勤務が可能であることをあげるケースが増えている。
コロナ禍でテレワークの経験者が増えたこともあるだろう。だがそれ以上に生活自体や価値観そのものを見直す機会を得たことがその動きを後押ししているのではないか。
一方で、企業のテレワーク実施率は5月末の30.5%から6月に入ると同時に23.0%に減少した。コロナ感染者数の動向にもよるが、減少傾向は今後も続くと思われる。
しかし、見直された生活や価値観が元に戻ることはない。むしろニューノーマルという新しい常識は生活者の変化を後押しするだろう。
その変化が、ニューノーマル下での企業の選別を加速する。